神社に伝わる伝説
−磐船神社(大阪府交野市)−
饒速日命(にぎはやひのみこと)が天の磐船(あめのいわふね)という巨岩に乗り、
この地に降臨されたと伝えられております。
十種の神宝(とくさのかんだから)を揺らしながら
「ひとふたみよいつむよななやここのたり、ふるべゆらゆらとふるべ」
という神詞(かみごと)を唱え病に苦しむ人を救ったと云われております。
磐船神社にはその時の天の磐船が祀られております。
−貴船神社(京都市左京区)−
離縁された夫を呪い貴船神社に丑の刻参りをした嫉妬深い公卿の女がおりました。
顔を真っ赤に塗り、髪を角のように束ね、口には松明を咥え、
「我を生きながら鬼神になしてたまえ」と口走りながら、
夜更けに大和路を掛け回っておりました。
鉄輪(かなわ)の井戸の傍で息果てた時には鬼の顔になっておりました。
供養塚を築き供養するまで鬼の怨霊が現れ、毎夜掛け回っていたそうでございます。