人生のお仕事(如何に生きるべきか)



第一章 不況という名の地獄模様


美学、なんてことがよく言われます。
この世界には「金儲けの美学」なんてものがあるのかも知れない。
本屋に参りますとそんなことを考えさせられるほど多くのビジネス書籍が目に留まります。

ぎりぎりのところで仕入れて付加価値をつけて売ることで利益を得る一昔前の賢い商売人。
彼らこそが本当の商売といいますものを知っておりましたように思いますね。
ところが今は弱い者を買い叩いて仕入れるのですね。
これは私などが見ておりますと本当に卑劣で品のない商売でありますように感じます。
そうしてそれが廻り回って、結果として自分たちの首を絞めている。
それのどこに金儲けの美学があるのかと思いますね。

ここ十数年で日本は恐ろしいほどに衰退しました。
人の心が堕落して、経済が衰退して行ったのですね。

経営者は正社員を雇わずにその多くを派遣に頼り、
人材を育てることを怠って育った人材ばかり派遣させるのです。
アジア諸国に生産拠点を移し、また賃金の安い諸外国からの出稼ぎ労働者を使い、

政府は自由化政策で保護すべき業界まで弱肉強食の世界市場に晒し、
派遣業に息吹を吹き込んで労働者の人権を奪い、

その結果どうなったかと言いますと、
企業はアメリカ人に乗っ取られ、
日本の技術がアジア諸国に流出して日本人労働者はアジア諸国からの出稼ぎ労働者に職を奪われ、

長期に及ぶ不景気、貧困、病、自殺、犯罪、社会不安、少子化、と
それは皆様もよくご存知のはずでございます。

今はね、極めて能力のある人以外はハローワークでも職が見つからない。
そんな時代でございますよ。
ハローワークは虚実の求人情報で溢れ、
誰でも応募できるようなお仕事は求人情報と実態がまるっきり違うのですね。
極めて厳しい雇用条件と労働環境ですから離職率が異常に高いのです。
短期間で殆ど全ての人が辞めて行くわけです。
でも企業に取りましてはその方が有り難いのですね。
たとえ短期間でも働いて下されば、そして給料日までに辞めて下されば経営者の腹も痛まないのです。
それにハローワークは次から次へと求職者を紹介して下さるのですから、
これはもう願ったり叶ったりですね。

或いは千人も二千人も面接してたった一人雇うか雇わないか、といいますような企業もあるのですね。
求人しております企業はそのようなところばかりですから、求職者は何度面接に出かけましても採用されない。

いえ、日本社会にも矛盾はあるのですよ。
年功序列から実力主義に移行する中、一度リタイヤしてしまいますともう信用が得られない。
再チャレンジが許されない、
実力主義なのですから、何度リタイヤしましても何度でも再チャレンジのチャンスが平等にあるべきはずなのですけど、
一から遣り直しができても良いはずなのですけど、企業は新卒者か相当の技術を持った人しか雇おうとなさらない。
勿論、求職する側にも、依存を離れて技術を学び高める姿勢や自ら起業する意欲も必要でしょうけど、

何れにしましても、そこには力をあわせて時代を築こうとする広い視野はどこにもなく、
自分本位で利用し合おうとする人間の醜い姿が今の矛盾した社会を形成しておりますことは、
まず間違いのないことでありますように感じます。

選ばなければ仕事は幾らでもある、と仰られます人もおられます。
でも本当にそうでしょうか?
誰にでもできるようなお仕事は厳しい競争社会で、収入が得られないばかりか赤字になってしまう。
少しでも能力が必要なお仕事は、より若い人、能力のある人が優先される。
たとえ起業しましても成功するのは千に一、万に一ですね。

働いても働いても生きていくための充分な収入が得られない。
それで仕事は幾らでもあると言えるのでしょうか。

知恵を無くした日本人の成れの果ての社会。
私は今の日本をそのように認識しております。
それでは私たちは一体どのように生きて行けば良いのでしょうか。



第二章 与えられた生き方


少し根本を考えてみましょう。
私たちが一体何のために生まれて来たのか。

私たちは生きるために生まれてきたのでしょうか?

いえ、そうではありませんね。
私たちは自らの心を愛と感謝の想念で丸く豊かに成長させ、
また光ある調和社会を建設するために生まれて来たのですね。

ただ生きるために、命を繋ぎ止めるためだけに嫌な会社に雇われて、身を粉にして働いて少ない賃金を得て、
それでストレスを溜めて病気になる。
それでは本末転倒ではありませんか。

私たちは今生でどのような役割と課題を持ってどのようなお仕事をするのか、
それをこの世界に生まれて参ります前に計画して生まれて来ているのです。
ですから誰にでもそれぞれ興味のある分野がありますし、
これがやりたい、あれがやりたいといったような志向性が必ずあるはずなのです。
そうしてその分野に前向きに遣り甲斐を持って挑むことが真の生き方であるはずなんです。

それはね、例えば「さかなくん」を見ておりましたら分かりますよ。
彼はがむしゃらにご自身の好きなことに邁進しているではありませんか。
自由な発想でね、私たちはただ遣りたいことにがむしゃらに挑んで行きさえすれば良いのですよ。

それがね、心が病んでしまっているから何をしたいのかが見えてこないのです。
それで生きるために嫌々働くなんてことにもなってしまうのですね。
そうして運気を閉ざして、人生まで閉ざしてしまうのです。
どうして心が病んでしまうのか、
それは生まれ育った環境や教育、周りの人々の影響もあるのでしょう。
それは今後、正しい考え方(正法や神理)に目を向けて考え方や想念を修正することが必要でしょうね。

勿論、それで上手く行かないことも勿論ございます。
運不運もありますでしょう。
この世界は無常の世界ですからね、それは仕方がないのです。
また、目先の生活に振り回されてこっちがだめだったらあっちに職を変える。
それではまた誤った道に入ってしまいますからね、
無常を受け入れることなんです。
無常に逆らうことで苦しみが生まれるのですから、
無常を受け入れて、覚悟して踏ん張るのです。
どんなに上手く行かないことでも上手く行くまで頑張ろうとする姿勢が大切なんです。
そしてまた、好きなことですから頑張れるはずなんですね。
それにね、そうして頑張っておりましたら、守護霊様も神霊様方も必ずお力添えをして下さる。

事業や商売が上手く行かない。
いえ、ですからこれを不況の所為にしてしまいますといけません。
それは逃げているだけなんです。
政治も社会も関係ない。
必ず自らの中に上手く行かない原因があるのです。
上手く行っている人も居るのですから、必ず踏ん張って、上手く行くまで遣り遂げる。
これは大切なことでございますよ。



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