故里

 

中島みゆきさんの歌ではありませんが、

 

私を受け入れて下さる場所が、一体何処にあるのか、

私を受け入れて下さる人が、一体何処にいるのか、

ふるさとも遠く離れ、家族も、親族も、兄弟も散り散りバラバラで、

本当に、私を心から暖かく迎えて下さる場所が何処にあるのか、

幼い頃、親しかった皆は、一体何処へ行ってしまったのか、

ってね、

誰もがそんな切なさ、孤独感を感じたことがあるのではないかと思います。

 

都会の風は冷たく、人の心も冷たく、

ともすれば自分の心にまで冷たい風が吹き荒ぶ、

肩をガックリ落として、歌を聴いたり、

好きなことにのめり込もうとしてもどこか冷めた自分がいて、

表面的にだけは親しくしている友人と愚痴を云い合い、

時には酒を酌み交わして空元気を振り絞ろうとする、

誰もがそうなんですね。

 

仕事に情熱を注いでいらっしゃる人もおられますでしょう。

でもね、仕事がなくなってしまいますと、とたんに不安になる。

そうしますと、自分は仕事に執着していただけだったんだって、分かりますでしょう。

仕事しか取り柄がなく、仕事だけの人生、

それもつまらないものでございます。

 

孤独感に苛まれ、不安になり、恋愛に走りましても、

やっと得た伴侶も孤独人間で頼り甲斐もなく、決して心が通い合っているとは云えず、

時には争い、時には浮気されて絶望感に陥る。

 

でもね、だからこそ私達は人に優しくして差し上げなければならないんです。

心を開いて、人を暖かく包んで差し上げなくてはいけないんです。

心のふるさとになって、暖かく大きな愛で、思い遣りで包んで差し上げなくてはいけないんです。

 

それとね、私達は、強くならなければいけない。

強くなければ人に優しくして差し上げることもできませんから。

そのためにはね、

私達はもっともっと沢山の人を愛するのだということ、人を大切にして差し上げるのだということ、

自己犠牲を惜しまず、人のために生きて、人を生かして差し上げるのだということ、

でもそれは、決して甘やかすということではありませんけどね。

そうしますとね、私達は自ずと強くなれるんです。

命を掛けてでも護って差し上げようとする、信念や力強さを手に入れることだってできるんです。

 

私達は皆、神様の子供達でね、皆が兄弟なんです。

地球に生を受けた魂の兄弟なんです。

いつか必ず、万人が仲良く、心を開き、真心で接し合える時が必ず参ります。

その時まで、私達は力一杯に御自身の使命を全うして力強く生き抜いて行かなくてはならないんです。

 

太陽は暖かいですね。

森も、樹も、暖かいものでございますよ。

大地もね、逞しく力強く私達を支えて下さっておられます。

海は、地球は、命のふるさとなんですね。

そうしましてね、命を全うしましてあちらの魂の世界に帰りましたらね、

沢山の方が心のふるさととなって私達を暖かく迎えて下さいますよ。