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神社に伝わる伝説





−磐船神社(大阪府交野市)−

饒速日命(にぎはやひのみこと)が天の磐船(あめのいわふね)
という巨岩に乗り、
この地に降臨されたと伝えられております。
十種の神宝(とくさのかんだから)を揺らしながら
「ひとふたみよいつむよななやここのたり、ふるべゆらゆらとふるべ」
という神詞(かみごと)を唱え病に苦しむ人を救ったと云われ
ております。
磐船神社にはその時の天の磐船が祀られております。


−貴船神社(京都市左京区)−

離縁された夫を呪い貴船神社に丑の刻参りをした嫉妬深い公卿
の女がおりました。
顔を真っ赤に塗り、髪を角のように束ね、口には松明を咥え、
「我を生きながら鬼神になしてたまえ」と口走りながら、
夜更けに大和路を掛け回っておりました。
鉄輪(かなわ)の井戸の傍で息果てた時には鬼の顔になってお
りました。
供養塚を築き供養するまで鬼の怨霊が現れ、毎夜掛け回ってい
たそうでございます。


呪詛の法(じゅそのほう)

死霊(ままたま)はおそろしからざるなり、されど生霊(いく
たま)はおそろしかる。
呪詛の御札というものがございます。これは呪いの御札でござ
いまして非常に恐ろしいものです。
過去に実際にあった話をご紹介しましょう。
二十歳前の女性が結婚詐欺に合い身篭った上に財産を奪われま
した。
憎らしい男を呪い殺してやりたいと山伏にお願いし呪詛の御札
を戴いたのです。女性とその母親は雪解けまじかの冬山に分け
入り滝のふもとで丑三つを待ちました。
丑三つ、山伏から教えられた法を行いました。蝋燭は1本、母
親が咥えました。女性は滝壷に入ります。
そして九字の印を結び御札を流しました。その瞬間です。死霊
の生首が女性の首に絡み付き滝壷に沈めてしまったのです。母
親は見てはいけなかったのですが娘の叫び声に目を開けてしま
いました。その後半狂乱となり山をさ迷ったあげくに死んでし
まいました。その形相は鬼の顔であったそうです。
およそ百年後にその山に寺が建ちました。鬼の形相をした女の
怨霊を供養する為です。そのときの住職が怨霊と対峙しご真言
にて成仏させたと言われています。(おんきりきゃらはらはら
ふたらんばそつそわか)


紅糸の儀(こうしのぎ)

夫婦(めおと)とは死霊(ままたま)生霊(いくたま)の障れ
ども添い遂ぐるものなり。
「赤い糸」というものが本当にあると信じておられる方がいら
っしゃいますが、その昔に紅糸の儀という習慣がございました。
夫婦になった初夜に足の親指どうしを赤い紐できつく結び一夜
を過ごすというものです。その夜には過去に縁のあった死霊や
生霊が現れ二人を引き離そうとするのです。
この儀を終えた夫婦は決して別れることがないと言われていま
す。