義務教育と云いますものは本当に有り難いものでございます。

豊富な教材や資料、道具、器具、楽器等を使い、

環境の整った教室や広いグラウンドで学ぶことができるのですし、

何よりも先生方の分かりやすい教え方、興味深いお話の数々は、

どのような教材よりも身に付き易く、将来の糧になるものでございます。

また、先生方は私達のことを本当に考えて下さり、

全生徒に、厳しくとも暖かな愛を持って下さっておりましたように思います。

私達のために無理をしてくださり、

私達の勉強のことだけではなく、

御家庭のこと、友人関係のこと、健康のこと、将来の人生のこと等にも

心を砕いていて下さっておりましたように思います。

それがどんなに難しいことか、

今、私達が思い知らされておりますようでございます。

私達は無知なもので、

このような勉強が一体将来に何の役に立つのかと

疑問を御持ちになられます方も沢山いらっしゃいますようでございますが、

それでも、そういった積み重ねの結果、今の私達があるのですし、

学んで損をするということは決してないのです。

学童期を大幅に過ぎてしまいました今となりましては、

もう一度あの学び舎で学びたいとどんなに望みましても

それは叶わぬ願いなのでありまして、

何故あの時、もっと勉強しておかなかったのか、

真面目に先生の話しを聞いていなかったのか、

と悔やまれますばかりでございます。