二十歳のワルツ

 

夏はこれ以上待ってはくれない

君の返事を聞かせておくれ

いつも話したね秋風の頃には

この町捨てて旅に出るんだと

友と別れても歩くつもりだよ

帰る日あてどなくただ君恋し

 

たかが女というなよおまえ

全てを捨てても愛はついに振り切れず

君の言葉をひとつだけ下さい

元気でね 待ってるわ

そしてサヨナラでも良いから

 

絶望などと借り物はせず

ただ夢を見続けたあげくのことさ

できることなら疲れたときにでも

君をそばにして少しでも眠りたい

長く居過ぎたこの街だけど

恋が時間を止めてもくれたよ

 

男と女はどこかで違う

例えば男はあくまで夢に酔う

君の言葉をひとつだけ下さい

またいつか 好きでした

そしてサヨナラでも良いから

 

旅には標なき自由さもあるけど

あるときは朽ち果てて野に倒れることもある

未練がましいと言うなよおまえ

あの人を愛しなお何かに胸焦がす

街に出たなら一人になるけれど

最後の願いこそあの人の全てさ

 

思い出は消える程に確かな姿を

闇の彼方へ包み込んでしまう

君の言葉をひとつだけ下さい

楽しかった 許せない

そしてサヨナラでも良いから

 

言葉じゃ言えないただ胸騒ぎ

とにかくこの街と別れるつもりだ

旅立つ男には甘くてほろ苦い

女との話がつきものでも良いだろう

夏は雲に乗り秋に逢えるけど

この俺一人誰に逢うあてもなし

 

これで終わりさそして何かが始まる

門出の男に君はまだ口閉ざすのか

誰か言葉をひとつだけ下さい

行ってこいよ 忘れちまえ

そしてサヨナラでも良いから

 

誰か言葉をひとつだけ下さい

行ってこいよ 忘れちまえ

そしてサヨナラでも良いから